旅行から3ヶ月弱経って記憶も曖昧になってきた。これで最終である。
チップを渡すのが苦手である。チップをあげなくてはならない場面と必要ない場面の区別が難しい。また渡すタイミングが分からずオロオロ、どきどきしてしまう。賄賂?袖の下?なんか悪いことをしているような気持ちになる。乗り場を丁寧に教えてくれた地下鉄の職員に渡そうとしたら断られた。荷物を預かってくれるクラークのおじさんに渡そうと紙幣を折りたたんで手に潜ませていたが、「でも、受け取る時に渡したほうがいいのかなあ。」とか考えてるうちに、おじさんは行ってしまった。荷物を受け取る時は別の青年だったので結局渡さなかった。ここでは渡す、渡さない、とか教えて〜。
色んな場面で色んな事を人に尋ねたが、何回も嘘をつかれた。初日の電車は明らかに悪意を持って嘘をつかれた。それ以外はトイレの場所、集合場所などを尋ねたが、適当なことを答える。教えてもらった所に行ってもない。2日目でその事がわかり、3人に聞くことにした。3人目でようやく到達できる。
スーパーは野菜や果物がゴロゴロと雑然と置かれていて、中まで大きな犬を連れて入ってきても誰も関心ない。パン、チーズ、お菓子など全てが大きい。
道を歩いている時、斜め掛けしたバッグを引っ張られた。ひったくり未遂。
最終日ホテルをチェックアウト後、タイムズスクエアのど真ん中でスマホがないことに気づいた。バッグの中、ポケットの中、ない・・・。血の気が引いた。落ち着け、よーく考えるんだ。えーと、ホテルを出る前にベッドに横になってスマホを見ていた。そこからスマホはいじっていない。ベッドだ!すぐホテルに電話をして、「先ほどチェックアウトをしたものだが、スマホを部屋におき忘れたはずなんです。多分ベッドの上です。今からすぐ戻ります。」生きた気もせずホテルへ戻ると、受付のアジア人の女性が「特別ですよ。」とにっこり笑ってカードキーを渡してくれた。部屋はすでに掃除が始まっていて、ベッドカバーをひっくり返してもない。そういえば、引き出しの中に下着類を入れっぱなしにしていた、と下着を丸めて出す私を見て夫は呆然。いやいや、下着なんかどうでもいいんだった、スマホスマホ。ルームメイカーの女性も一緒になって捜してくれたがない。仕方ない、諦めるしかない、でもチケット類は全てコピーを取っておいたから大丈夫だが、ネット決済はどうなるのだろう。誰かがすでに悪用していないだろうか。ガックリと肩を落としてカードキーを返却に向かうと、何と警備員の男性がすでに部屋からスマホを回収していたと!何時間ぶりに手にする私のスマホ・・。もう2度と会えないと思っていた。そうだ、ここでこそチップだ。思わず10ドル紙幣を彼女に、もう10ドルを警備員に渡した、ようやくチップを渡せた!彼女はすごくびっくりしていた。多分多過ぎたのだろう。でも、私の感謝はそんなものじゃない、本当にありがとう!
アメリカは多民族、移民の国、色んな肌の人、言語に溢れている。歳をとって、グレーヘアーになって海外旅行がしやすくなった。特に今回のNYで実感した。人生経験が多いということは大きな力を持つ。相手も何となく敬意を持ってくれる(思い過ごしかもしれない)。こちらも堂々としている。もちろん英語力が必要だ。喋れなくて堂々とされても困る。
さて一昨年、英検準1級を合格した私の実力はいかに!今回最も楽しかったことの一つに、マイケルジャクソンの生涯を描いたミュージカルがある。貧しい幼少期からジャクソン5を経て有名になりその後の苦悩までを、数々のヒット曲と共に描いた。しかし、英語の会話は全くと言っていい程分からなかった!聴衆が笑っていても?、慌てて笑ったりして・・。英検準1級ってこんなもんかーい。こんなもんなのだ。合格から1年数ヶ月勉強を継続しているから、きっと実力はアップしているはず、つまり英検準1級以上、1級未満ぐらいのはずなのだ。それなのに、である。普通に会話して、普通に聞き取れるレベルではない、ということを身にしみて実感した。
日本はとても優しく綺麗ないい国だ。しかし、もっと自由に、多様な価値観で生きていけたらいい。歳をとって体力、記憶力、判断力が低下しても、色んなことを経験し今まで生きてきたことを誇りに思いたい。何歳になっても、卑屈にならず驕らず、自然に自由に、堂々として軽やかに、グレーヘアーで皺はあっても凛として、生きていけたらいい。
英語の勉強も続けよう。ミュージカルでの会話がちょっと理解できて、周りの聴衆と笑いのタイミングが合うまで。 NY 旅行記はこれでおしまい。


ジャクソン5も出演していたアポロシアターの裏口。