以下、読んで役立つ健康情報誌「こまど」No.71、14-17ページ  
簗 由一郎先生(埼玉医科大学形成外科)からの引用です。
まさに私が言いたかった事がここにすべて書かれておりました。(訴えないでください。)


巻き爪というのは、爪が内側に巻いている状態、形をいいます。(痛いかどうかは関係ない。)
陥入爪(かんにゅうそう)は、爪が皮膚に食い込み痛くなった状態です。


  •  赤い文字の巻く力:爪はもともと撒こうとする性質があります。
  •  青い文字の広げる力:歩く際の地面を踏みしめる力は、下から爪を押し上げる力となります。

  



巻く力 ≧ 広げる力:この時に巻き爪になります。どういう時でしょう。

  • 靴が合わない場合:幅が広くヒールの高い靴や足に合わない靴など指への圧迫がある場合に巻く力↑
  • 足の指を地面につけない歩き方、いわゆる浮き指の人は地面からの押し上げる力が弱くなり、広げる力↓
  • 深爪をすると爪を下から支える力が面積が小さくなって、広げる力↓
  • 外反母趾などで指が変形すると下からの力が均等に加わらないため、広げる力↓さらに親指が人差し指を圧迫して親指の巻く力↑
  • 爪白癬などで爪が肥厚すれば、巻く力↑

①正しく歩く
足をまっすぐに出し、踵から足の裏を転がすように体重移動をし、最後にしっかりと親指で地面を蹴る。
②適切な靴を選び、正しく履く。
③正しく爪を切る
厚かったり、変形していて自分では切れない爪は当院で切ります。


治療は保存的治療として、

テーピング法

綿球法(図のコットンパッキング法を行ってから強力接着剤で固めます)

左の写真が約1か月後、随分巻き爪が改善されていますね。この日は右の写真の方に綿球法をしました。

最終的な治療は手術です。爪の根元の爪母(爪を作る細胞がある部位)を切除し、爪の幅を狭くして爪が食い込まないようにします。爪母をメスやハサミを使って切除した後、フェノールという薬剤で更に爪母を破壊します。これも当院でできます。歩いて帰れます。