2024年10月から、長期収載品の選定療養が制度化されます。
これにともない、後発医薬品(ジェネリック医薬品)がある薬剤で、患者さんの選択によって先発医薬品(これを長期収載品という)を選んだ場合に、選定療養費という一部負担金を支払わねばならなくなります。
分かりやすく言えば、「患者さん都合で先発品を選んだ場合は、負担金が発生するよ〜。」
しかし、医療上どうしても先発品である必要がある場合は、負担金が発生しません。どういう場合を指すのかというと、
①先発品の方の効果が高い
②ジェネリックで副作用、多剤との飲み合わせによる相互作用、などの安全性の観点
③ガイドライン上の推奨
④ジェネリックでは飲みにくい、吸湿性により一包化できないなど、剤型上の違いにより先発品を処方する必要性がある場合、単に剤型の好みによって先発品を選ぶことは含まれない、医師だけで無く薬剤師が判断する事も考えられる
例えば外用だと軟膏、クリーム、ローション、貼り薬などがあるが、患者さんの塗り心地だけで先発品を選ぶことは出来ない、ということです。
負担額の算出方法は、先発品の薬価とジェネリックの中で最も高い薬価の差額の4分の1です。
具体例を示します。
ヒルドイドソフト軟膏(先発品)100gの薬価は1850円、ヘパリン類似物質軟膏(ジェネリック)100gの一番高い会社の薬価が560円です。1850−560=1290、4で割ると322.5円、これは320円とします。税込で352円になります。
これまで医療費負担が0だった学生さんに対しても、先発品のヒルドイドソフト軟膏100gを希望し、上記の4つに当てはまらない場合は100gにつき352円の負担金が発生します。
これまで3割負担でヒルドイドソフト軟膏を処方されていた方が、そのまま先発品であるヒルドイドソフトを希望し、上記の4つに当てはまらない際も同じです。100g 1850円の3割負担555円に352円が加算され907円、ということになります。
これは内服の錠剤でも同じことで、1錠100円の先発品、80円の後発品があって、1日1錠ずつ3回内服するお薬だとします、先発品を希望した場合の1週間分の負担金は、
100-80=20 を4で割ると5円、5円に3(1日3錠だから)をかけて10で割る(10で割るのは決まり)と1.5. ここからがちょっと難しい。四捨五入ではなく5捨になる!なので1.5は1になる。(ここがちょっと人情なんでしょう・・・) 1に1週間分だから7をかけて10をかけて(10を掛けるのも決まり)70円。1週間処方で今までよりも70円、4週間だと280円、3ヶ月で840円の負担金になります。
上記の②、③は問題ないと思います。問題は①、効果をどの様に判定するのか、血圧や糖尿病の内服、痛み止めとかはわかりやすいですが、保湿剤やステロイド外用剤などの効果の評価は難しいですね。
もっと問題なのが④です。単に患者さんの好みではダメ、医師と薬剤師がその判断に関わる。この2点が今後いろんな混乱、トラブルを生むでしょう。
A医院では先発品処方を医学的必要性ありにしてくれて負担金ゼロ、B医院では医学的必要性なしで負担金あり、それもヒルドイドソフト1000gで3520円負担ですよ。それなら皆、A医院に行きますよね。
次に医師は医学的必要性なし、薬剤師が必要あり、と判断が分かれちゃった場合、考えただけでも怖いですね〜。医師と薬剤師の関係が壊れかねない状況になります。
医療費削減、ジェネリック推奨、先発品潰し、これを実地の臨床医に丸投げ。
以上の話は全て、どうしても先発品を希望する患者さんですからね。今までもジェネリックで10月以降もジェネリックの患者さんは何も変わらず、負担金はありませんよ。
