東京の中学校教師の強盗殺人のニュースは衝撃でした。あまりにも凶悪な犯人像とかけ離れていたため、報道当初は冤罪説がネットにあふれていました。見るからに好青年です。いい先生、いいお父さんです。

・・・でも、私、あの逮捕された時の彼の目が震えるぐらい怖かったんです。あーこの人、サイコだ・・・って思ったんです。
果たして本当に表の顔と裏の顔を使い分けていたのか。それとも、使い分ける意識もなくそれが彼自身なのか。なんか彼は後者の様な気がするんですよね。顔と首をメッタ刺しなんて常人にはできない。せいぜい体幹です。そしてその後3か月も教鞭をとっていた。久々に吐き気がするような事件です。

我々は自分の中に何人かの顔を持っています。例えば私は、優しくこわくうざい母親、面白くて元気なおばあちゃん、立派な皮膚科医(笑)、いじいじと根暗で引きこもりがち、陽気に歌って踊って大騒ぎするのが好き、英検の受験勉強をするのが好き、庭の草むしりを黙々とするのが好き、などなど・・。

人間は大抵、相手を職業、年齢、感じがいいか、会話が上手か、で判断しがちです。でもそれがいかに頼りない基準なのか、この事件は教えてくれました。突然惨殺された私と同世代の男性は死ぬまでの間何を思ったでしょう。
人間ほど怖いものはない。・・・・でも、人間ほど暖かいものもないんですけどね。