医者になって35年、内科が3年、その後32年皮膚科医です。そのうち6年間が大学病院、その後開業医26年。
私自身は自己肯定感が低く、あまり表に出たくない性格。人から先生なんて呼ばれることに今も違和感。先生になるために、いい人間にならなきゃいけないなんて面倒くさい。
・・・でもこの仕事は好き。皮膚科ってとっても面白い。皮膚に現れたその模様はとっても美しいし、そこから何が分かるか、犯人を絞り込んでいく。内服薬か、外的なものか、内臓か。結局分からないことも多くって、かえって患者さんの時間を取るばっかりだったりもするけど。
開業した理由は3人の小さい子供を抱えて、東京で勤務医を続けるのは無理だと思ったから。子供が6歳、3歳、3歳の時、東京出身の夫と寒河江で開業した。最初の5年は毎日毎日必死だった。仕事と子供と家事で、でも体力的な大変さだったし、若かったから何とか頑張れた。子供が中学校ぐらいになると部活、勉強、反抗期などで今度は精神的につらかった。その後は受験に次ぐ受験地獄。この頃のことはあまり思い出したくない。最初の10年間はお手伝いさんがいたが、それがストレスになりその後は夫と二人で家事を分担している。
仕事があるから色んなことに耐えられた。仕事している時だけは辛いことも忘れることが出来た。患者さんの前で無理に笑うことが辛い時もあったけど、無理やり笑うことで自分を保てることが出来た。でも本当に辛い時は声が出なくなる。患者さんから「先生の声は大きくって、元気だねえ。」って言われると、「カラ元気、カラ元気。」なんて言ってたけど、元気じゃないと大きな声は出ないんだって初めて知った。
体調がいい時は仕事は本当に楽しい。患者さんと話すのも楽しい。皮膚科は赤ちゃんからお年寄りまで幅広い年齢層の患者さんが来る。赤ちゃんは可愛くって、大好き!仕事じゃなけりゃあ、ずっと遊んでいたくなる。小さい子供も好き。ちょっと強がったり、純粋で、遠慮もしないし、そういうところが好き。中学生、高校生はちょっと難しいけど、ありのままの自分自身を見せるようにしている。若者はそういうのすごく敏感で、信頼していい大人かどうかをすぐ見抜く。
これから何年仕事をするか分からないけど、判断能力がおちたり、やる気がなくなったり、体力が持たなくなったりしたら、老害になる前にやめる。